2008/08/09

イヤーゼロ

最近すっかり気を抜いていましたが久々に記事を読んだので。
ナインインチネイルズが去年リリースした5thアルバムイヤーゼロは、
今から15年後の荒廃した世界がテーマになってたんだけど
現代社会への批判として書かれた作品で、
トレントレズナーはインタラクティヴな形で世に出したいと思って
USBで音源が世界にばらまかれたり、
隠しサイトががんがん見つかったり、
シークレットギグやったり、
もう、やれるだけやってたんです。
で、次回はTVシリーズだそうで。大変ー
YZ2のリリースに合わせてTVシリーズが開始らしいです。
ほんと、面倒なことするよね。元気。
アルバムコンセプトの虚構の世界を現実世界に忍び込ませるこの手法はオルタナティブ・リアリティ・ゲーム(ARG)って言われて、YZはシアトルの42 Entertainmentがプロデュースしてます。
この会社が草分け的存在なんかな。
よく知りませんが、↑このサイトに美しくまとまってますので。どうぞ。

なんでこんなことになったかというと、プロテスタントソングっていやっていうトレントレズナーの考えがまずあって。
アートはアート的に社会批判やらないとだめって思うらしい。
で、フィクションの世界について歌を作ったけど、
曲はその世界の断片だから、自分以外の人には意味がわかんないだろうし、
だからって、ライナーノーツで説明できるかっていうと、
今ライナーノーツなんてリスナーに届かない(みんな音を盗んでるからね)し
インタラクティヴにできないしーって
こういうキャンペーンにして、リスナーが自発的に研究して
アルバムのコンセプトの世界がどんどんよくわかるように仕掛けがされたわけです。
マーケティング的にもすばらしかったみたい。
(なんか広告の賞もらっちゃってたよ)
まだ広がっていくらしく、もう追いつけないくらい深化してて
わーーっと思ったのでした。
あらゆるメディアを使ってる
しっかも今インディーなんだよ、この人。
なんだかとっても力強いなー。すごい。

このレコードの音ははじめ、正直言って「え?」と思ったけど、
「すぐわかんないよ。ウニみたいなもんよ」と作った人が言ってたとおり、
下のほうのレイヤーにかなり素敵なノイズが入ってて、ライブだともっとオーガニックで曲の良さもわかるし、思ってたよりずっといいなって1年経ってからの感想。
5.1chでリリースするべきじゃないかって思うよ。
普通のCDじゃあんまりよく聴こえない気がする。
なぜかこんなに長々と書いてしまうくらいすごいキャンペーンなのでした。
日本って、こういうwebの使い方しないよねー。。